生まれ変わったら

Img_6fd18ca31cab3b4dcbdd32428f93f4ec
飼い犬のチロは老犬(ろうけん)で
もうねたきりの毎日だ
それでもときどきねむりながら
口をクチャクチャやったり
手足をパタパタ動かしている
きっと夢(ゆめ)の中で
おいしいものを食べたり
原っぱを思いきり
走りまわっているのだ

私は毎晩(まいばん)ねむる前に
チロの耳もとでささやく
「今度生まれてくるときは
 私はきっと犬になる
 チロは人間に生まれ変わって
 私の飼い主(かいぬし)になってね」

チロは私に忠実(ちゅうじつ)で
兄弟のように遊び、信頼(しんらい)し
目を見ればお互いの気持ちがつうじた
チロと過ごした十数年間
どんなに楽しい日々だったことか

犬がいる生活が
こんなにも心を豊かにしてくれることを
チロにおしえてあげたい
生まれ変わったら
チロの飼い犬になって
チロに私と同じ幸せを
感じさせてあげたい

                     
大岳美帆作。この詩は、2009年(平成21年)4月に発行された教育同人社・小学生用音読集「音読(おんどく)の森」5年生版に掲載(けいさい)された詩です。
ここでは、むずかしい漢字をいくつか、ひらがなにしてあります。